しょこたんウォッチャーだった頃①
この時期に僕がしょこたんにハマるようになった理由としては、もちろん彼女の魅力が大きいのだが、それ以外にも大きな理由が2つあった。
1つ目は僕に友達がいなかったということだ。
これはまぁある意味仕方がないのだが、僕は2浪した上に東京から離れた大学に進学しており、中学・高校時代の友人とのつながりが完全に途絶えていた。
そうなると、あとはうちで飼っている猫の“にゃーぴー”以外に友達と言える存在はいない。
何かしらの心の拠り所が欲しくなった僕は、結果的にしょこたんに注目することになったわけである。
2つ目の理由は女性という存在を知りたいと思ったからだ。
僕は中学から高校まで男子校であり、大学に入ってからも女性とは表面的かつ形式的な付き合いしか、していない。
また、過去の記事を読んでもらえればわかると思うが、女性に不快な言動をされたりしたことが幾度かあった。
果たして世の中の女性がこれまで出会ってきたような“ヤバい性格の人間”ばかりなのか、を知るきっかけとしたかったわけである。
こうして、僕はしょこたんに魅了されていったわけだが、勘違いしてほしくない点が1つある。
それは僕は“しょこたんのファンではない”ということだ。
「は?お前何言ってんだ?」
と言われそうだが、実際、当時の僕はそう思って活動していた。
“しょこたんファン”ではないなら一体何なのか?
これを説明するにはネット掲示板についての話をしなければならない。
2026年現在 “5ちゃんねる” には、ニュー速VIP(ニュース速報(VIP)板)と呼ばれる板があり、書き込みもされているが、今から20年以上前に“2ちゃんねる” にあったニュー速VIPでは今とは比べ物にならないほどの大量の書き込みが毎日なされていた。
その勢いは爆発的であり、さまざまな話題の雑談が行われていたが、その中の1つに“VIPPERアイドル「しょこたん」こと中川翔子さんと愉快な仲間たち。”というスレッドが存在していた。
何を隠そう、僕はそのスレの住人だったのである。

そこではしょこたんの他に、小明(あかりん)、きゃんち(喜屋武ちあき)、マリア(伊藤彩華)を中心とした話題の雑談がされており、僕自身、最初はたまに軽く書き込みを眺めている程度だった。
ところが、しばらくスレを読んでいると驚くべきことに気づいたのだ。
当時、こんなことを書くと袋叩きに遭う可能性があったので、あえてみんな隠していたが、実はこのスレにはたまに“しょこたん本人が降臨していた”のである。
もちろん妄想で言っているわけではなく、ちゃんとした根拠があった。
一例を挙げるならば、例えば、スレに「(しょこたんが飼っている)猫のお尻の匂いを嗅いでみて」と書き込んだとする。
すると、その10分後ぐらいにブログが更新され、しょこたんが飼い猫のお尻の匂いを嗅いでいる写真がアップされる、といった感じだ。
1回や2回そういうことがあっただけならマグレだろう、となるが、1日に5、6回もそのような事象が発生するわけだから、これはもう疑いの余地はない。
そんな活気あるスレをROMっている(書き込みをせずに読むだけでいること)うちに、だんだんと自分も雑談に参加したくなり、数週間後には立派なスレ民(VIPPER)となっていたのだった。
さて、これでようやく僕が“しょこたんファンではない理由”を説明することができるわけだが、実はここのスレ民はほとんどが自分自身を“ファン”だとは公言していなかったのだ。
たまにしょこたんのファンクラブ「ギザぴんく!」に加入している、という書き込みがあると「お前なんでこのスレにいんの?」と罵られる始末である。
ほとんどの人が知らないとは思うが、当時はしょこたんのテレビ番組への出演が少しずつ増えていった時期であり、しょこたんはまだ場慣れしていない状況であった。
そして、いざテレビに出演すると、極度の緊張から、カメラが回っている前で挙動不審になり、オタク全開のよくわからない話を早口でまくし立てる、といった醜態(←これは誉め言葉である)を晒していた。
さらに番組の放送直後にはしょこたん本人もブログに「しょうこキモス(^ω^;)(;^ω^) 」といった投稿をするのが一連の流れであった。
とまぁそんなわけで、スレ住人の日課は、しょこたんが出演している番組を視聴することで、ともに笑い合い、しょこたんを「m9(^Д^)プギャー」することだったわけである。
なお、誤解があるといけないので書いておくと、スレ民は極度の“ツンデレ”であり、普段はしょこたんの醜態を見て嘲笑う一方で、しょこたんに何かがあると誰よりも心配し、スレには「しょこたんガンガレ」「応援してるお」などと優しい言葉が溢れることが多かった。
以上の理由から、スレ民は自分自身を“しょこたんファン”ではなく “しょこたんウォッチャー”と自称していたのだ。
言うまでもなく、これはしょこたんを生温かく見守る人、という意味が込められている。
そして僕自身もこのスレ民の考えに共感し、しょこたんを応援しつつも「ファンではない」という立場を取っていたのであった。
→「しょこたんウォッチャーだった頃②」へ

