しょこたんウォッチャーだった頃④
2つ目のスーパーマーケットでのバイトは地獄だった。
店長がめちゃめちゃ怖い中年の女性で、バイトを始めて3回目の出勤で辞めたくなったことを覚えている。
このスーパーマーケットは多くの人が想像するような、大きめのスーパーではなく、地域密着型の(まいばすけっとに近い)小売店だった。
そのため、時間帯によっては僕と店長の2人だけでの勤務もあり、その度に店長がキレてくるのである。
例えば、レジにいる際、お客さんが来ない時間に何かしらの作業をしていないとお説教が始まった。
「ねぇガクトンさん、あなた今この瞬間にも時給が発生していることわからないの?」
「やる気ないって思われても仕方ないって思わない?」
こんな感じである。
もし僕がバイトを始めて1年ぐらい経っているのであれば、ある程度要領も掴めてくるので、店長の指摘もわかるんだけど、僕は1日4~5時間のバイトを始めてまだ3日目か4日目なのだ。
手空き時間に何か考えて作業をしろ、と言われても無理がある。
というわけで、僕はスーパーマーケットでのバイトをすぐに辞めようと思ったのだが、店長が怖すぎて「辞めたい」と言い出せなかった。
ちなみに塾講師のバイトが週2回、スーパーマーケットのバイトも週2回(短時間)であり、スーパーでの出勤時に店長と一緒になる(シフトが被る)確率が50%程度であった。
つまり週に4~5時間ほどの地獄に耐えることができればよい、ということになる。
こうして僕はギリギリのところで踏ん張りながらバイトを続けていくことにした。
そんなある日、なんとなく近所のゲームセンターを眺めていると、クレーンゲームの景品(プライズ)として“チェシャ猫のしっぽ”が置かれていることに気づいた。

“チェシャ猫”というのは「ふしぎの国のアリス」に登場する、いたずら好きの不思議な猫であり、しょこたんの推しキャラでもある。
特にこの“チェシャ猫のしっぽ”はブログにも登場しており、僕も以前から興味を持っていた。
僕自身、クレーンゲームは今まで一度もやったことがなかったのだが、躊躇することなく、コイン投入口に100円玉を投入。
やや苦戦しつつも、合計400円で無事にゲットすることができた。
僕にとって、この“チェシャ猫のしっぽ”が人生で初めて獲得したプライズであり、手に取った瞬間はとても嬉しかった。
そして、この時の僕の脳内では、かつてないほどの大量のドーパミンが分泌されていたのである。
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