大学生の頃➉

丸三証券に証券口座を開設して約1か月。


研究室にいる間は常にパソコンでYahoo!ファイナンスの画面を開いていた。




やっていたのは短期売買。


株価が30円~40円上がるたびに100株売却して、下落したら購入する、という流れを繰り返す。






(株ってすごい。これなら1か月で2万円ぐらい簡単に稼げるかも!?)



そんなことを思いながら株式売買を行っていた。







ところが、夏頃を境にして状況は一変する。



僕が保有している株が大幅に下落し、買ったはいいが売ることができなくなってしまったのである。





「ガクトン、お前、株で大損したんだろ?w」


院生の先輩にからかわれる僕。





「そ、そんなことないです!」



必死に平静を装うが、明らかに僕の様子がおかしいことは周囲にバレていた。






待てども待てども、一向に株価は戻る気配を見せない。



(こんなことなら株なんてやるんじゃなかった・・・)





僕は持ち株をすべて“塩漬け”にすることに決めたのだった。









この時期になると、就活をしていた学生はほとんど内定を手にしていたわけだが、僕は就活に乗り気ではなかったので何もしていなかった。




となると、あとは大学院に進学するしか道はない。



ただ、大学院に行くには当然、試験(院試)を受験し合格しなければならない。





そこで、7月ぐらいからは、研究と並行して、院試対策の勉強をすることにした。





試験科目は英語と専門科目2科目。

専門科目のうち1科目は僕が配属された研究室(専攻)に関連する科目でなければならない。




やるべきことは当たり前だが過去問の研究。


大学にある図書館に過去問が保管されているので、12年分ぐらいの過去問をコピーし、対策を練った。





まず、英語はほとんどの問題が英文和訳なので、自然科学系の英単語をいかに記憶しているかが勝負になる。


そこで、ヤフオクを使って、羊土社が出版している科学系専門の英単語帳を5,000円ぐらいで落札し、そこに載っている単語を徹底的に暗記した。





専門科目については、苦手な有機化学系の科目は避け、できる限り暗記で対応できる科目を選択。



過去問12年分を完全に暗記。


さらに、学部2年~3年の間に学習した当該科目の講義ノートを使って、講義内容を繰り返し復習した。






こうして迎えた10月の大学院受験。



前日は寮の自室に籠ってひたすら暗記をしていた。


ところが、夜にいざ寝ようとしても、頭の中が常に情報を処理している状態になっており、全く眠気がこない。



仕方なく睡眠改善薬のドリエルを夜中の3時頃に通常の2倍量服用し、ようやく眠りにつくことができた。





そして、院試当日の朝7時。


目を覚ましたが、体調がおかしい。



目の前が真っ白で何も考えることができないのである。


おそらく前日(というか数時間前)に飲んだ薬の影響だろう。





(これはヤバい・・・)


僕は泣きそうになりながら、とりあえず大学に向かった。





そして大学に到着するやいなや、保健室に駆け込み、事情を話した。




保健室の先生は僕に水を飲ませ、尿をできる限り多く出すように言った。


そして、その後は保健室のベッドで試験開始の15分前まで寝させてくれたのだった。




その処置により、僕の体調は回復。


問題なく受験に臨むことができた。




結果は英語、専門科目ともにほぼ完璧な出来で、試験終了後にはすでに合格を確信していた。




午後には面接があり無事終了。



その1、2週間後、学内の掲示板に合格者の受験番号が掲載された。




合格。



ちなみに、僕の研究室に所属していた学部4年生全員が院試を受験し、不合格者は誰もいなかった。








4年生の秋以降は卒論を書くことに全集中。



僕が取り組んでいた研究の内容自体は比較的単純であったが、卒論をいざ書くとなると、なかなか大変だった。




夜遅くまで残ってひたすら実験を行う日々。




卒論は教授の添削を何度も受け、ようやく12月下旬に提出することができた。



提出は結構ギリギリのタイミングであり、徹夜してなんとか乗り切ったことを覚えている。






そして1月下旬の卒論発表会。


別の研究室の教授からめちゃめちゃ嫌らしい質問をされて焦ったが、なんとか凌ぎきった。





数週間後、研究室の学部生5人の大学卒業が確定したとの知らせが届く。






地獄のような4年間だったけど、耐えることができた。


自分で自分を褒めてやりたい。






4月からは大学院の修士1年(M1)になるわけだけど、まぁ同じような感じだろう。




その時の僕は漠然とそう思っていた。




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