浪人生の頃③
駿台では難関私立大学受験生向けの“ハイレベルクラス”に在籍していた。
“ハイレベルクラス”と書くと、すごくレベルの高い内容の学習をするように思えるかもしれないが、実際には“駿台の中位”の位置づけとされるクラスであったため、そこまでレベルが高い、というわけではなかった。
(なお、入校当初に受けた校内テストにおいて、僕の校内偏差値が55ぐらいだったことからも、周りの連中がそこまでのレベルではないことはわかっていた)
とはいえ、受講科目(英語・数学・化学)の中で、数学の講義だけは非常に難しく、ついていくのがやっとだった。
一方で、英語と化学は予習と復習をしっかり行うことで、学習内容を十分に理解することができ、1回の講義を終える度に着実に実力が身についているのを実感していた。
特に印象に残っているのが英文法の高橋秀夫先生の講義である。
彼は学生時代、何度も挫折を味わいながらやっとのことで慶應義塾大学に合格した苦労人であり、授業の合間にしてくれる小話が非常に面白かった。
また、話が面白いだけでなく、教え方も丁寧で素晴らしく、英語を僕の得意科目にしてくれた恩人でもある。

高橋先生が講義中に何度も言っていたのは「繰り返すこと」の重要性であった。
僕はこれまで何冊もの問題集、参考書を使って受験勉強をしてきたが、最初から最後までひと通りやったら次の本に進む、というやり方だったため、1冊たりとも、まともに習得できた本はなかった。
当然、その問題集・参考書に書かれている内容の30%も理解できていないわけであり、これでは成績が上がらないのも当たり前だったのである。
高橋先生のおかげで、ようやく受験攻略の1つ目のカギ「繰り返すこと」に気づいた僕は、駿台で学習しているテキストをひたすら繰り返し復習することにしたのだった。
→「浪人生の頃④」へ
