浪人生の頃②
ある日の朝、予備校に向かう電車に乗っていた時のこと。
僕は突然、息苦しさを覚えた。
息が苦しい。窒息しそうだ。
このままでは死んでしまう。
そんな考えが頭をよぎり、目の前が真っ暗になった。

気がつくと、僕は車内の床に嘔吐していた。
次の駅でドアが開くと同時に電車から急いで降り、ホームに設置された椅子に座って目を閉じた。
20分ぐらいそのままだったように思う。
このままではいけないと思い、トイレに行って嘔吐物が付着した服を水で洗った。
Tシャツはかなり汚れてしまっており、洗っても茶色いシミがとれなかったが、構わず僕は予備校に向かった。
予備校に着くと、1時間目の化学の講義がほぼ終わってしまっていた。
ノートを写させてもらいたかったが、僕には友達がいない。
仕方なく、職員室に行き、先生にお願いしたが
「友達にコピーさせてもらって」
と言われてしまった。
僕は半泣きになりながら
「この予備校に先日入ったばかりなので、知り合いがいないんです」と嘘をついた。
先生は
「えっ?友達いないの?」
と困惑した様子で言っていたが、ちょうどその時、先生のところに質問に来ていた男子学生がいたことで、僕はなんとか彼にコピーさせてもらうことができた。
快くコピーさせてくれたその方には今でも感謝している。
<P.S.> 前述した症状は“パニック障害”と呼ばれるものである。本来ならば薬物療法を行うべきなのだが、僕の場合は重篤化しなかったため、年月を重ねるうちに次第に症状が起こらなくなっていった。
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