浪人生の頃⑨
今年から新たに勉強し始めた“生物”と“倫理”については夏休みまでは“低空飛行”だったが、夏を過ぎると一気に力がついてきた。
やはり暗記科目はコスパが非常に良い。
河合塾のマーク模試でも偏差値60以上を出せるようになり、自分でもかなり驚いたことを覚えている。
しかしながら、僕自身、最も驚いたのは生物でも、倫理でもなく“英語”だった。
中1の教科書から順に音読を行い、中2を経て、中3の LESSON3 ぐらいに差し掛かると、大学入試レベルの長文をすさまじいスピードで読めるようになっていることに気づいたのである。
これは頭の中に“英語回路”が構築され、僕の中に眠っていた“英語の基底能力”が稼働し始めたためだ。
あれだけ時間が不足していたマーク模試の英語もなんと時間が余るようになり、偏差値は60台後半から(模試によっては)70以上を叩き出した。
ただ、すべての科目が順調だったわけではない。
国語のマーク模試は思うように点数がとれず、いつも65%ぐらいの得点率だった。
とはいえ、国語に関しては焦ってもどうしようもないので、古文と漢文をしっかり学習し、短時間で高得点をとれるようにする、という方針を貫くことにした。
そして最も苦戦したのがマーク模試の数学である。
マーク形式の数学が苦手なのは、はるか昔からだが、記述式の数学ができるようになればマーク式も勝手にできるようになるものだと思っていた。
だが、実際はそうではなかった。
ゆっくり解けば完答できるのに、時間がなくてパニックになってしまう。
(一体なにがいけないんだ・・・?)
苦悩しながら勉強する日々がしばらく続いた。
そんなある日、ふと子どもの頃の記憶を思い出した。

友達の家で“マリオカート”をやっていた記憶。
そういえば、アイツ、最初のコース(マリオサーキット1)だけ異常に速かったんだよなぁ。
僕も同じようにマリオサーキット1だけ練習しまくったら速く走れるようになるのかな・・・
(・・・ん?これってセンター数学も同じじゃないのか?)
センター数学は“時間”が勝負の科目だ。
とにかく短時間で問題を解けるようになればよい。
であるなら、ひたすら問題を速く解く練習を繰り返せばよいのでは?
これこそがセンター試験を攻略するための最重要ポイントであるわけだが、多くの受験生はこの単純な事実に気づかない。
解法を記憶する“インプット”のみを重視し “アウトプット”を疎かにしてしまうのである。
こうして、ようやくセンター試験を突破するための糸口をつかんだ僕は、3度目の大学受験へと突き進んでいった。
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