浪人生の頃⑧


試験対策を考える上で最も重要なもの、それは“過去問”である。



本番の試験で合格点を取りさえすれば合格である以上、本番に一番近い形で学習を進めていけばよい。


言うまでもなく “本番に一番近いもの”といえば“過去問”をおいて他にない。





だから僕はまず、本屋で全国の大学の過去問(赤本)を見て、対策を立てやすそうな大学を探した。



ここで重要なことは、問題が解けそうか解けなさそうか、ではなく自分から見て対策しやすそうか、ということである。





こうして僕は1つの国立大学に目をつけた。



なぜ国立大学なのか?というと、僕はマークシート形式の試験が苦手で、逆に記述形式の試験が得意だったからだ。


この大学の2次試験は(国立だから当然だが)すべて記述式であり、出題傾向、形式を見る限り、1年間あれば対策可能であると判断した。



ちなみに大学名は伏せるが、この国立大学は東大や京大ほどではないものの、理科大よりも難易度が高い大学である。






赤本を購入して自宅に戻った僕は、そこから3日かけて対策(勉強法)を検討した。



まず2次試験は英語、数学、理科2科目であり、理科に関しては“化学”以外にもう1科目勉強をしなければならない。



となると “生物”以外は考えられない。


物理を0の状態から1年間で受験レベルにもっていくことは極めて難しい。


だが、生物なら可能なはずだ。



僕は高校時代“物理”を選択していたため “生物Ⅱ”については習ったことがないが、不思議とできる自信があった。



使用した参考書・問題集は

・センター試験 生物ⅠBが面白いほどとける本(中経出版)
・生物ⅠB 合格48講(学研)
・生物Ⅱ 合格24講(学研)


以上の3冊のみ。




“化学”はすでに基本は完成しているので、前年に使用した駿台のテキストを再利用。




“数学”は講義型参考書(主にASOシリーズ)を使って入試標準レベルの問題の解法を記憶することに。


ただし、過去問を見る限り、出題が「数列」「確率」「図形と方程式」「複素数平面」「数Ⅲの微分積分」に偏っていたので、これらの分野を重点的に学習する計画を立てた。






続いてセンター試験対策。


センターでは国語(現代文・古文・漢文)と倫理を新たに勉強する必要があった。




とはいえ、学習時間が限られているため、コストパフォーマンスがよくない国語にあまり時間をかけたくない。


そこで、現代文は特に何も対策せず、古文と漢文で点数を稼ぐ作戦でいくことに決めた。



古文は“マドンナ古文単語230(学研)”を使って古文単語を覚え、文法については(何の本だったか忘れてしまったが)文法書1冊だけを集中して学習。


漢文は“早覚え速答法(学研)”だけを繰り返し読み込むことに。




また、倫理に関しては“センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本(中経出版)”をざーっと読んでから、過去問を中心とした学習を行うことにした。







そして最後に“英語”である。


冒頭で過去問こそが最も重要だと述べたが、実は英語は過去問だけでなく、本質的な“英語力”を鍛え上げることが合格への近道となる。



僕がこの事実に気づいたのは、英語の高橋先生がお勧めしていた↓の本を読んでみたことがきっかけだった。




この本の著者・國弘正雄氏は“同時通訳の神様”と呼ばれ、英語学習の第一人者として知られている。



國弘氏いわく、頭の中に英語の回路を作り出すことが最も重要で、そのためには中学校の英語の教科書を100回音読することが必要とのこと。




そんなわけで、僕は中学校の時に使っていた英語の教科書 “NEW CROWN”と付属の音声CDを引っ張り出してきて、本に書いてある通り、中1~中3で学習する超簡単な英文をひたすら声に出して音読しまくったのだった。




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