浪人生の頃⑦
メールのやり取りをして数日後。
新宿駅で近藤くんと待ち合わせをし、駅近くのパスタ専門店に入った。
そこで、僕は彼が国立医学部に合格したことを聞いた。
高校時代、僕より成績が悪く、クラスの中でも目立たなかった近藤くんがまさかの合格。
にわかには信じられなかったが、どうやら本当らしい。
聞くところによると、彼は予備校には通っていなかったとのこと。
では一体どうやって受かったのか?
その日、僕は近藤くんと3時間ほど話をし、家に帰ると夜遅くになっていた。
翌日、僕はこれまでの試験の失敗を検証してみた。
故・野村克也監督は「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と述べている。
僕は自分自身の大学入学“試験”の勉強法の誤りが見え始めた。
そうだ。僕は“試験”を受けているんだ。
“時間”が限られている試験をだ。
試験には「試験のための勉強」をすればいいんだ。
“数学”とか“化学”といった学問を勉強するから受からないんだ。
(そうか、ついにわかったぞ)
僕は終わりのない“大学受験の森”からようやく抜け出せそうだと感じた。
3月も、もう終わりに近づいていた。
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