浪人生の頃⑥
2月の下旬。
理科大の合格発表が行われた。
朝の10時になるとホームページに合格者の受験番号が表示されるシステムになっているため、自宅のパソコンの前で待機する。
時間になり受験番号を確認。

・・・番号がない。
やはり不合格であった。
僕が卒業した“中の下ぐらいのレベルの高校”の現役学生でも1学年に10人ぐらいは合格できる東京理科大学に、1浪しても入れなかったのだ。
この世の中に“神様”など、いるはずがない。
なお、青山学院大学理工学部と“4校目の受験校”には合格していたが、後者はあんな嫌な思いをしたので、絶対に行かないと決めていた。
そのため、入学するなら青学の一択になるわけだが、正直、僕は迷っていた。
なぜなら、僕はもともと理科大への憧れが強く、青学は滑り止めの1つ、という認識だったからだ。
そして、親戚のおばさんに「ガクトンには青学の雰囲気は合わない」と言われていたのも大きな理由の1つだった。
要するに、僕みたいな“キモメン“には青学の校風は合わない、というわけである。
以上を考え、僕は青学を“蹴る“ことにした。
(ああ、なんてことだ。また振り出しに戻ってしまった)
布団に潜ってそんなことをずっと考え続ける。
僕の精神的ダメージは想像以上に大きく、2月下旬から3月中旬まではほぼ何も勉強せず、家でダラダラ過ごすだけの日々が続いた。
そんな堕落した生活に終止符を打ったのは、僕の携帯に届いた1通のメールだった。
メールの差出人は数か月前にアドレスを交換した“近藤くん“である。
「受験どうだった?」と書かれていたので「落ちたから2浪目に突入する」と返信した。
すると、近藤くんからご飯を一緒に食べよう、という提案があったので、僕はこれを承諾した。
どうせ時間はたくさんあるし、とにかく、このやるせない気持ちを誰かに吐き出したかったのだ。
この近藤くんとの再会が僕の運命を大きく変えることになるとは、この時の僕はまだ知らなかったのである。
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